素敵なドブ川

転職活動はまだ続いている。

 

先日応募した会社から転職サイトを通して課題文を提出するように言われていたんだけれども、そのサイトのことをすっかり忘れてて3日も経ったあとに返信した。

そこから連絡がなくなったので多分落ちた。→5/19追記:面談してくれるそうです

せっかく書いた文をそのままにしておくのもなんかもったいないので、ブログにアップします。

 

テーマは渋谷について

昔ブログに書いたものを再編集したものです

 

ではどうぞ!

 

ーーー 

 

 私の家から1番近い都市が渋谷だ。家を出てから渋谷駅に着くまで25分くらいの、1番近い都市。そして、私が1番好きな都市。

 

 私は高校も大学も渋谷が通学路で、学生時代のアルバイトも全て渋谷だった。社会人になってからも、通勤で平日は毎日渋谷を通る。平均週5日渋谷を通っているとして単純計算してみると、1年で250日、往復だからその倍の500回渋谷を通っていて、高校からの丸8年間だから4000回は少なくとも渋谷を通っていることになる。計算してみたものの、多いのかどうかよく分からない。とにかく言いたいのは、たくさん渋谷を通ったということ。

 

 だからこそ、好きとも嫌いとも思わなかった。ある東京出身の人は「渋谷なんて最悪。早く田舎で暮らしたい」と言うが、また別の東京出身の人は「渋谷超好きっす!」と言う。私はそのどちらでもなかった。

 

 私にとっての渋谷はただの通り道で、なんとなく寄り道をする場所で、友達と遊ぶ場所で、働く場所で、生活に必要なものを買う場所で、服を買う場所で、化粧品を買う場所で、たまに友達と偶然会う場所でもある。

 だからグッと心を鷲掴みにされるような瞬間がある街というよりかは、生活の一部で、特別な感情を抱く隙のない街だった。

 

 しかし、ここ1年程で渋谷に対する気持ちが大きく変化した。その理由は、再開発だ。

 

 私が高校生の頃からそれは始まっていたが、その当時は妙に現実味がなく、遠い未来のような気がしていた。でもそんなことはなかった。ここ数年で、渋谷は本当に大きく変わった。

 

 中でも渋谷川の存在は、私にとって特別だ。暗渠だった渋谷川が再び日の目を浴びてから1年位経つが、初めて渋谷ストリームの中にある渋谷川を見た時の衝撃は今でも忘れられない。ピカピカしているものの風情皆無の渋谷ストリームの中にある臭いドブ川は、風情しかなかった。私はその瞬間、心を鷲掴みにされた。こういう感覚は、大きな絵画を観た時にも度々起こる。

 

 やっと好きという気持ちを持った街、渋谷。こうなるのに7年もかかった。再開発はまだ終わらず、景色は日に日に変わってゆく。そこに寂しさを感じるのは事実だが、懐古主義なんて空しさしかないと思う。次々に建っていくビルにうんざりした時には、渋谷川のにおいを嗅ぎに行けばよいのだ。