帰ると(待ってる)人がいる

友達のインスタストーリーを見て思ったこと。

 

今日で付き合って半年という彼氏とのツーショブーメラン、その端っこに小さく「帰ると待っててくれる人がいてほっとする」と書いてあった。

彼女は私の親友の一人で、中学の頃からお互いのことをよく知っている。中学の頃は男子とほとんど会話をせず、高校は女子校に進み、大学も男女比が2:8くらいのところに進んだ。顔はめちゃくちゃかわいいし性格もいいのだが、よく「彼氏できるのかな」と心配そうに言っていた。

そんな彼女に初めてできた彼氏が、「帰ると待っててくれる人」だ。

二人の出会いは色々なタイミングが重なって生まれたもので、なんというか分かりやすくいうと略奪だ。私の友達は人の彼氏を自分の彼氏にしてしまったのだ。

「彼女いない」と言われていたわけでもなく、いることを知っていて関係を築いてしまったのだから略奪で多分合ってるだろう。

でもそれについて、私は「だめだよ」とは言えなかった。もう過ぎてしまったことだし(略奪というのは後から聞いた)、悪いことなんて本人が一番分かってるだろうから何も言わなかった・・・のもあるが、何も言えなかった。まさか自分の親友が他人を傷つけるような恋愛をしてしまうなんて思ってもいなかったし、ショックだった。

恋とか愛とか、他のものも全て、とにかく他人を故意に傷つけてはいけないと思っているので、彼女が幸せにしている裏で、元カノは泣いているんだと思うと悲しくなった。

元カノとは2年くらい付き合ってたらしいけど、2年も付き合った末、自分より10も年下の女に彼氏を取られるなんて、どんな気分だろう。私だったらもう殺したくなるほどにムカつくね。

 

付き合い始めから(厳密にいうと付き合う前から)彼女は家に帰らなくなった。正式に付き合い始めてから、親へ「同棲する」と報告したらしい。

 

帰ると親が(待ってる)いる家を出て、帰ると彼氏が待っている家に帰る私の友達。

そして待っててくれていることに幸せを感じる私の友達。

 

慣れてしまうと、待っていることが当たり前になり、なんならうざくなってしまうなんて、悲しい話だ。

そして私もこのことを考えて、はっとしたから悲しい話だ。

 

私にも待っててくれる親がいるのに、そこへ帰らない日が週に1回くらいある。大学生だし外泊も何も珍しい話ではないと思う一方、待つ人を裏切っているような、いや裏切っていると言ったら大げさかもしれないけど、そんな気持ちにもなる。

 

大学の後輩には、どうしても親が外泊を許してくれなくて、よくそのことを話す子がいる。

それってもしかして、外泊は危ないとかそういうのではなく、待ってる人がいる家をなぜ選ばないのかってところで許してくれないのかもなとも思った。

 

まあでもきっと、結婚やらなんやら、様々な理由で家を出る人なんてごまんといるし、一生親と同じ家に帰る人の方が少ないはず。家を出ることが悪いことではないし、私もいつかは出るけど、待っててくれる人のことを考えると、申し訳ない気持ちが少し湧いてくる。この先の未来、私は、きっと同じ思いを同じ分だけするのだろうな。