ガールパワーの押し売り

 

最近、岡崎京子の漫画を読むのが辛くなってきた。彼女の漫画に出てくる女の子たちの強さに、私は負けてしまうからかもしれない。

女の子たちはみんな強い。私だったらもうこんなのおしまいになっちゃうってことでも、結構あっけらかんとしたような、または毅然とした態度でいる子ばかり。

私はだめになってる時、足りない頭で色々なことの色々な可能性を考えちゃうからあんな風にはいられない。初めて岡崎京子の漫画を読んだ高校生くらいの時は彼女の言葉のセンスとか、絵が好きだったからスラスラ読めていたのに、あれから5年くらい経った今の私は、「ええ?うそでしょ?」「そんなわけないじゃない」とかって心の中でつぶやきながらしか読めない。

女の子たちのもつパワーが、私には強すぎる。

 

また話は5年前に戻るけれど、当時の私は割とガールパワー界隈が好きだった(イロモノマーケットとか、毎回行ってた)。多屋澄礼ワールドといえば分りやすいだろうか。ああいう、ふわふわしていてガーリーで、でも芯があるよ、女の子つよいよ、みたいなところが好きだった。まああのころの私はそんなことまで考えてなくて、ただゆめかわ〜とか思ってただけなのですが。

今となっては、ああもう私あそこにはいけないなって思う。ガールパワー持ってないもん。もうジルスチュアートで買い物はできないし、MILKの羽のドアの取っ手も握れないもん。池袋のユニオンにあるGirl sideでさえちょと構えてしまう。でもすっかり興味がなくなったから、できないことと自分とのギャップに苦しむこともない。(それでもやっぱりああいうのが好きな女の子は好き)

 

私は多分、自分で思っている以上に弱くて暗い。いつもいつも、周りの誰かからの支えがあって、おしまいの時を乗り越えられている。

ガールパワーがすごい女の子たちは、誰かに支えられることが辛いことを乗り越える1番のきっかけではなくて、自分たちでどうにかできちゃうんだと思う。それは、素晴らしいことだと思う。岡崎京子の漫画に共感できる女の子は、だいたいそうなんじゃないだろうか。

 

ガールパワーが強すぎるものや空間に対して、押し売りだなって思ってしまう自分にはっとしたので書きました。