満月

 

なぜか読まず嫌いをしていた作家の一人であるよしもとばなな

誰かのおすすめで白河夜船を読んで以来、何も嫌うことなんてなかったと思ってる。

 

さっき、たまに泣きながらキッチン2を読み終えたところ。

人が死ぬのに、なぜこんなに暖かい空気がこの小説には漂っているのだろう。ひどく冷たくて、薄ら明るいようなこの感じ。

 

私は自分自身とみかげをたまに重ねた。

みなしご(成人してるけれど)になる可能性が高いこと、死ぬことを感じながら生きていたいところ、咄嗟の行動力、結局道は決まっているんじゃないかと思ってるところ

 

この前私なりの自由について書いたことがあるけど、道は確かに決まっているような気がする。自由ではあるけれど、その先何が起こるか分からない!というわけではなく・・・言葉にしづらいんだけど、みかげの考え方が私はすごく似ているなと思って・・・

道は決まってるというけど、それは敷かれたレールの上を走って生きてゆくのよ、という事では全くなくて、何となく自分の思い描く未来は実現できることも結構あるよねということ。

私は今の自分が、全くの偶然で予想だにしない姿だっただなんて思わない。色々なきっかけは私以外にもあったけれど、全て自分の行動があってのことだから。自由ではあるけど、未来の何となくのイメージは結構持ってる。

 

それから、死を感じながら生きたいと思うのも。結局みんな死ぬ、死んで骨になって焼かれて、小さな骨壷の中におさまる。そういう事を考えてると、楽しいことがより楽しくなると思う。私はできるだけ小さな幸せや楽しさを感じたい、どうせいつか死んで消えちゃうから。私がインターネットに文章を残すのも、こういう考えがあるからかもね。

初めてこういう考えをしたのは多分ノルウェイの森を読んだ時、直子のセリフに影響されてから。「死の中で生きているのよ」とかだったっけ、あれを読んだのはいつだろう。中学生だったか高校生だったか・・・。

これはネガティブでもなんでもない、とてもポジティブ。

 

別に感想を書きたいわけでもなく、でもとりあえず今のこの感じを書いておこうというそれだけなのでオチも何もないけれど、とりあえず読んで良かったなという具合です。